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夏休み明け 校長先生のお話

2020-08-17校長先生から

短い夏休みも終わり、今日からまた授業再開です。今朝、元気に登校してくる皆さんの姿、その表情を見て、私も皆さんとの再会を嬉しく思っています。
ですが、新型コロナウイルス感染症については、従来にも増して、予防への自覚を強く持たなければならない状況です。皆さんもニュースなどで知っていると思いますが、最近はとくに若い人たち、学校に関係する人たちの間でも感染が拡がっています。また、まだまだ暑さが続く中、熱中症への注意も必要です。手洗い、うがいに加え、こまめに水分を補給するなど、授業中とはいえ無理をせず、かつ慎重な行動をお願いしたいと思います。
さて、休み前の集会で、私は皆さんに「正しい時間の使い方」について話をしましたが、有意義な夏休みとなったでしょうか。今日もまた、時間に関する話をしたいと思います。
幕末の志士の一人である吉田松陰の言葉の中に「ごくにありては、ごくでできることをする」というものがあります。ごくとは、獄中、いまの刑務所のことです。1853年、アメリカの黒船が下田に来校した時、松陰は、当時の鎖国の禁を破り、密航を図ろうとして失敗し、捕らえられて山口県の萩に投獄されました。その時のことばと言われています。そもそも松陰が鎖国の禁を破った理由は、日本が今後、世界の中で発展していくためには、外国の状況を知っておかなければならないという、将来に向けた野心からくる行動でした。松陰は、投獄中であっても、限りある時間を一時も無為に過ごしてはならないと、自らが学ぶとともに他の囚人やまたその監視の役人にまで、中国の古典である「論語」や「孟子」を講義したとされています。そしてその影響を受けた人たちが、後の日本を作っていくことになります。
松陰の発した一つ一つの言葉には、彼の思想的信条がよく表れています。「自分の命をどう生かすか」 「何のために生きるのか」時代を超えて、人生を豊かにするための教訓がたくさんありますが、先ほどの言葉には、万人に等しく与えられている時間をもっと有効に使うべきだという教えが含まれています。時間は有効に活用すれば精神的にも、物質的にもその人の人生に大きくプラスになります。しかし、時間を自分のものとして活用するには、それなりの意思と努力が必要です。人はとかく難を避け、安きに流れやすいものです。困難なことに何かの理由をつけて一時的に回避したいという心理が働きますが、いつかその代償は必ず払うことになります。
「日本書紀」に引用されていることで知られる中国の書物「淮南子」の中に、「学ぶに暇あらずと謂う者は暇ありと雖も亦学ぶ能わず」という言葉があります。勉強する時間がないという人は、時間があっても勉強しないという意味ですが、皆さんの実態はどうでしょうか。過去のことはそれを認めざるを得ませんが、大切なのは今後のことです。
改めて今日、皆さんに伝えたいのは、時間とは貴重な財産であるということです。財産を持ち腐れにさせないためにも、やるべきことに順位をつけ、自分自身に誠意をもって確実にものごとをやり切る。その精神を磨いて、それを実践して欲しいと願っています。
前期末までは約50日、次の一区切りまで精一杯の努力をして下さい。心から期待をしています。

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