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札幌市にある北海高等学校から
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前期終業式 校長講話

2021-09-30校長先生から

今日で前期が終了し、明日からは後期となります。3年生はいよいよ推薦入試の出願・受験の時期を迎えることになります。また、来年1月以降の一般入試に向けては、後期の学習計画をしっかりと立て、その通りやり遂げる決意を、強く持って下さい。
今から受験当日まで努力したことは、皆さんが想像している以上の成果に繋がるものと私は確信しています。過去の先輩達のデータからも十分いえることなので自信を持って邁進して下さい。また、2年生、1年生は、少し長い期間を見通した過ごし方が大切だと思います。随分先の話に聞こえるかもしれませんが、春休みを含めた比較的大きな期間の中で、「自分の生き方」としてのビジョンを持ち、同時に小さな目標を一つ一つクリアしていく細かな計画を考えてみてはどうでしょう。将来を見据えたメリハリのある生活を心がけ努力して欲しいと願います。
さて、前期を振り返ると、オリンピック・パラリンピックがありました。オリンピアンの挑戦する姿に、私は勇気と感動を得ました。開催延期となったこの一年間、アスリートはどんな思いで逆境を乗り越えてきたのでしょう。この間、私たちが経験してきた様々な苦悩と重なり合う点が多いことからも、彼らの精神力の強さに自然と共感できる人が、きっと多いのではないかと思っています。
一方、感染力の強い変異株が拡大し、新型コロナウイルスの新規感染者数は、私たちの想像を遥かに超える規模になりました。二度にわたる緊急事態宣言、そして延長を受け、私たちの暮らしと学校の取り組みに大きな影響を受けました。そのような状況下、北海高校では、とにかく感染予防にできる限りの対策をし、皆さんが努力してくれたお蔭で、学校を大きく止めることなく、授業と部活動については、何とか取り組んでこられたと思っています。
改めて皆さんの学校に対する理解と協力に心から感謝をいたします。ただ、これまでの学校行事についてですが、「学校生活アンケート」にも多くの意見が出されました。その時その時の状況に鑑みて苦渋の選択をせざるを得ませんでしたが、皆さんからの意見は真摯に受け止めています。本来の形で実現できなかったものが多く本当に申し訳なく思っています。私も北海らしい伝統的で活発な行事を、皆さんと一緒に楽しむことができなかったことが残念で、とても悲しいです。コロナ禍での私たちの行動は、感染予防に対して本当に努力を重ねてきました。皆さんの心の奥には、色々なことに挑戦したいという意欲があることは十分感じていますが、同時に我慢をしてくれている皆さんの姿に、先生方も大変心を痛めています。
それでも、私は皆さんにお願いしたいことがあります。それは、君たち生徒同士の気持ちの中に、しっかりとした北海生としての誇りを持ち続けてもらいたいことです。北海高校が大切にしているものの中には人間教育があります。どのような状況にあっても、自分がいま直面していること、やるべきことに全力で努力することこそが、実は仲間のことを認め応援することになるということ。そしてそれは自分自身を大切にすることにもなるんだ。そういった心の繋がりを大切に考えられることは、自分の視野を拡げられるものになります。とはいえ、私たち人間は「当たり前」のことができないことでネガティブになってしまいます。大きなストレスを抱え不満の気持ちを持ったりしてしまうこともあります。
皆さんは「レジリエンス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。レジリエンスとは、もともとは物理学用語で、外から力が加わって変形したものが元の状態に戻る「復元力」を指すものです。今では心理学用語として、「強いストレスを跳ね返すことのできる力」という意味で、それを備えておくことがコロナ禍を生き抜く上で必要になってきているとも言われています。
もし、ストレスを跳ね返す力がなければ、物事をはじめからすべて否定的に捉えてしまったり、判断に柔軟性が欠けて、白か黒かのようにどちらかに決めつけてしまったり、あるいは、すぐに他と比較してしまうなどのように、視野が狭くなってしまうと考えられています。
 そこで、レジリエンスを強くする方法として考えられるのは、とにかく前向きな思考を積極的に取り入れていくことだろうと思うのです。辛いことがあっても、新たなことを学ぶことができたという実感を持つようにしたり、メリットの方を考えてみたり、また、感謝の気持ちを持つことも重要だとされています。自らの心の中にゆとりを持つには、まず物事を「肯定的に受け止められる力」が必要となります。今後の皆さんには、それぞれに確かな目標があると思いますが、その達成には大きな自信を持つことが必ず必要になります。様々な場面で自信を持って取り組んでいくためにも、北海生は元来、「質実剛健・百折不撓」の精神で、しなやかな考え方で多くのことを受け入れ逆境を乗り越えられる、そんなレジリエンスを建学の精神の基、日常的な生活の中で磨いてきているのが自分たちであるということを再認識してもらいたいと思います。
現在は、運動部の多くが代替わりし新チームとして大会等にも挑んでいます。また、文化部の大会等も本番を迎えます。幸いにも明日から緊急事態宣言が解除されますが、これまで取り組んできた感染予防を少しでも緩めてしまえば直ぐに元に戻ってしまうでしょう。ある専門家は、解除されるからこそ、なおさら予防意識を持つことが大切であり、慎重さが欠ければ11月にもまた大きな感染拡大があり得るだろうと言っています。そうなれば、また多くのことにブレーキをかけざるを得ません。特に3年生の進路決定には大きな影響がでてしまいます。皆さんには引き続き、学校、また家庭内においても基本的な感染予防に徹してもらい、それぞれの取り組みに着実にのぞんで、より良い結果が出せるよう努力して下さい。
後期は「オール北海」の気持ちでスクラムを組み、共に支え合いながら頑張っていきましょう。

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