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【講話】冬休み前の全校集会 校長講話

2025-12-24校長先生から

私は、今年の4月、全校集会で「創立140周年という節目を迎えたこと。そしてそのことを、勉強でも部活動でも学校生活を過ごすにあたって、常々意識しながら北海生らしい高校生活を送って欲しいと伝えました。そして、互いに切磋琢磨して人間的な成長を実感しながら、それぞれの目標を実現していこう!」 こう呼びかけて一年が始まりました。
振り返えると、皆さんは大小ありますが成功も失敗も経験しました。思うようにいかなかったこと、悔しい思いをしたこともあったと思います。しかし、皆さんはその一つ一つの経験から学び、自分なりの成長につなげてきた。私はそういう姿を、今年はたくさん見ることができました。中には困難を乗り越え、大きな輝きを放った生徒も少なくありません。今日、一年を締めくくるに当たり、私はここにいる皆さん一人ひとりの様々な努力を心から讃えたいと思います。本当によく頑張りました。
さて、毎年12月になるとノーベル賞が話題になります。今年は二人の日本人研究者が受賞しました。一人は生理学・医学賞の坂口志文さん、もう一人は化学賞の北川進さんです。
坂口さんは、人の体を守る「制御性T細胞」というものを発見しました。この発見は、がんの治療にもつながる大きな成果です。しかし、この細胞の存在を突き止めるまでには20年かかったそうです。そして今回の受賞までには更に30年という年月を要しています。とてつもない時間を自分の信じる研究に没頭されたことになります。
一方、北川さんは、空気の中から特定の物質だけを取り出せる新しい材料を開発することに成功しました。世界的課題となっているエネルギー問題や環境問題の解決につなげられることに大きな期待が寄せられています。
北川さんは中国の思想家、荘子の「無用の用」という言葉を座右銘にしています。一見、役に立つとは思わないものからでも大きな価値を見いだすことができる。北川さんはそう信じて挑戦をし続けられました。
このお二人は年齢も一緒ですが、研究者として共通に大切にしている言葉があることを先日知りました。そのことばとは、「運・鏡・根」の3つです。
「運」、特に我々が望む幸運については、お二人とも真剣に努力を続けている人にはいつか必ずそれが訪れる。そう信じて研究をされているそうです。常に勇気と希望をもっているということだと思います。
「鏡」は、自分を見つめること。特に失敗を自覚した時に自分自身と向き合うようにしているそうです。研究のほとんどは失敗の連続だとすれば、自分と向き合った時間は私たちの想像を超えるものではなかったのかと思います。
そして「根」についてですが、研究はもちろん何事も結果は直ぐにはでない。このことを理解して地道に続ける。とにかく初心を大切にしてモチベーションを下げないようにしているとのことでした。私は、このお二人の考え方や実践は、私たちの学びや普段の生活に活かすべきだなと思いました。ぜひ皆さんにも参考にしてもらいたいと思います。
いよいよ明日から冬休みがはじまりますが、3年生は受験本番に向けた大切な時期になります。皆さんには、自分に限界を設けず、やるべきことに最後まで根気強く取り組んでもらいたいと願っています。その姿が、何よりも誇らしく尊いこと、価値あることなのだということを、皆さん自身に知っていて欲しいと思っています。
そして、一・二年生にとっては、先ほどの「鏡」の話を参考に、この間の自分の生活、学習状況をしっかりと見つめ直して欲しいと思います。私は、この冬休みが皆さんにとって「助走」の期間になって欲しい。そう思っています。助走とは準備のことに他なりません。助走がしっかりしていれば、その分大きく飛躍することができます。北海生一人ひとりが、有意義な冬休みを過ごし、必ず次につながっていくことを心から願って、今日の話を終わります。

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