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【学校行事】令和5年度 修了式 校長先生から

2024-03-22校長先生から

 今年度最後の日ですので、この一年を振り返ってみたいと思います。今年度は、北海道でインターハイが開催されました。大勢の保護者、友人が会場に駆けつけ、その声援を力にして、各部が活躍してくれました。とりわけ柔道部は全国制覇を含め、男女ともに歴史的な快挙を収めました。また、全校応援の機会にも恵まれた年でした。皆さんは事前に応援練習などは行われませんでしたが、現地での北海生の一体感は本当に素晴らしいものでした。実は、球場に足を運ばれた一般の方から、わざわざ私のところに電話をいただきました。応援に感動したこと。「野球部だけではなく北海生皆さんを応援しています」という、大変嬉しい励ましの言葉をいただきました。
 それだけ皆さんの、仲間を支え、励まし合う姿が立派だったのだと思います。また、文化部も地道に取り組んで、それそれの表現が高く評価されました。
 先日、大丸藤井セントラルで開催された美術部のどんぐり会展、書道部の樸星展を鑑賞しましたが、作品にひとり一人の個性が光り、今年も見応えのある展覧会となりました。このように、いろいろなところで頑張る生徒がいることは、学校全体を活気づけ、お互いに励みになったと思っています。
 そして、卒業した3年生の受験についてですが、国公立大学に合格している者のうち、今年は学校推薦型や総合型入試に頼らずに、一般受験で合格している数が多いようです。最後まで諦めずに受験に向き合い、中には逆転で合格を掴んだ先輩もいたはずです。その中には、地元の北大はもちろん、京都大、大阪大、神戸大などの難関大への合格者も出ましたし、例年に増して首都圏の難関私大に挑戦した生徒も多かったです。ここにも自分を信じて、互いに支え合って努力した結果が現れていると思います。卒業生を含め、今年度の北海生の頑張りには、心から賛辞を贈ります。
 さて、明日から春休みですが、この休みはあっという間に過ぎてしまうと思います。そこで、限られた時間の過ごし方について話をしたいと思います。
 近代日本に明治維新という時代の転換期がありました。その時代の人たちに大きな影響を与えた人物の一人に吉田松陰がいます。松陰は、日本が世界の中で発展していくためには、まずは外国の状況を知る必要があると考え、黒船が下田に来校した際、密航を図りますが失敗して、山口県の萩にある獄、つまり牢屋に入れられてしまいます。このとき松陰は、「獄にありては、獄でできることをする」と言って、中国の古典の一つ「孟子」を学びます。今後、自分がどうなるか判らない中での行いに、他の囚人たちも一緒に勉強するようになりました。さらには、その囚人たちを監視している役人までもが、やがて松陰の講義を聴くようになったといわれています。
 この「獄にありては、獄でできることをする」という行いですが、私達はここから何を学ぶことができるでしょう。それは、「限りある時間を少しも無駄にしてはならない」ということだと思います。
 人間は、一人ひとりに違いがありますが、時間だけは等しく与えられています。よく考えれば、この時間の使い方、活用の仕方によっては、現状を変えていける可能性を感じます。しかし、人は、面倒くさいことは避けたいと思うのが一般的で、後になって、あの時こうしておけば良かったと後悔することが少なくありません。  
 どうでしょう、皆さんも今年度を振り返ってみたときに、今やるべきことを後回しにして、後悔したことは無かったでしょうか。
 中国の古い思想書に「淮南子」というものがあります。その中に、「学ぶに暇あらずと謂う者は 暇ありと雖も 亦 学ぶ能わず」という言葉が出てきます。この意味は、「勉強する時間がないという人は、時間があっても勉強しない」ということです。
 今やるべきことは直ぐにやっておく。そうしなければ時間という財産は活かされないという戒めの言葉だと思います。誰にでも平等に与えられている時間を活用できるか、できないか、実はその差は大きいものだと、私たちは理解しておくべきだと思います。
 色々なことに挑戦しようとしている北海生の皆さんには、まずは、やらなければならないこと、やりたいことを分けて、そこに優先順位をつけて取り組んで欲しいと思います。その際、ひとり一人の進路は異なることを理解しておきましょう。人と全く同じになるということはあり得ません。自分自身の問題です。
 春休みのような限られた時間だからこそ、時間の使い方をしっかり考えて過し、次年度、いいスタートが切れることを祈っています。

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