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校長講話

2022-01-11校長先生から

 皆さんおはようございます。今日から授業再開となりますが、まずは皆さん、今年もよろしくお願いいたします。
最初にコロナ関係の話からですが、年明けから全国的に感染者数が急増してきており、道内でも第6波への懸念が報じられるようになっています。ですが、私たちがやるべきことは、これまで通りの基本的感染予防対策を徹底することです。一人ひとりの感染予防意識を今一度高く持つことで、身近なところでの感染拡大をしっかり防いでいきましょう。
 さて、今週末から始まる「大学入学共通テスト」を皮切りに、本格的な入試シーズンが始まります。一般入試に臨む3年生諸君は、それぞれの志望校合格に向けて最後までベストを尽くしてください。皆さんの努力がよりよい形で報われることを全校生徒、教職員で心から祈っています。
 そして1、2年生諸君は、これから春までの過ごし方が大切です。1年後、2年後に迎えることになる自身の進路決定のためにも、将来の自分の在り方、生き方について、常々考えを巡らして欲しいと思います。覚悟を決めた人とそうでない人は、同じ努力をしても、その質には大きな違いがあります。何事を成すにも、まずはこの質と量が関わってきますので、3月の春休みを含む中期的計画を組み立てて、今から粘り強く取り組みを始めて下さい。
今日は、年の始まりに当たり、古代中国の五経の一つ「詩経」の中に出てくる一節を紹介します。
「初め有らざることなし、克く終ること鮮なし」。これは、何事も始める時は立派であっても、最後まで立派に終えることは少ないという意味です。言い換えると、計画を立てて、それを実行するまでは何とかなっても、目標を達成することへの難しさは昔も今も変わらないということでもあります。実際、私たちは、年の初めや年度の始まりに目標を設定して、それに向かってスタートを切ります。最初は計画にあわせて努力をしていくことができますが、予想していなかったことがらや問題が生じてしまうと、いつの間にか計画通りに進まないことが実に多くあります。このような事態になったとき、人は二つの岐路に立たされます。一つは、予想外のことは仕方がないと妥協をして、問題や障害を避けて行動すること。もう一つは、問題や障害は、たとえ予想外のことであっても真摯に受け止めて、それを克服するために一層努力しようと考え行動することです。私は、北海生ならば必ず後者であって欲しいと願っています。これまで北海生として卒業していった先輩方の多くが、目の前に生じた困難と正面から向き合って、それを克服してきました。同じ北海生である皆さんにも、似た経験が必ずあるはずだと思いますが、例えとして、昨年3月に卒業した第73期生は、そもそも大学入学共通テストの初年度の受験生でした。前年まで実施されていたセンター試験からどんな入試へと変更されるか判らないという不安に、さらにコロナ禍になることで、見えないウイルスへの恐怖と第一に受験そのものができるのだろうかという不安が積み重なりました。しかし、彼らは、受験対策も感染予防も、やるべきことが基礎、基本の徹底であることを十分理解し、受験本番では蓄えた知識を使いこなすことさえできれば希望は叶うと、気持ちを強く持って準備をしていました。学校行事の多くと、部活動でも3年生最後のインターハイなど、夢に描いていた多くの舞台を無くしてしまった学年でありましたが、第73期生は置かれた状況を受け止めて、互いに仲間を励まし合いながら諦めることなく取り組んでくれました。その結果、彼らは志望校への合格を勝ち取り、学校としても久しぶりに70名近くの国公立大学の合格者をはじめ、多様な学問研究の道に進学をしていきました。この結果の裏付けには、悔しさをバネにしていたこともありますが、北海生としての経験が人間的な成長となって確かな基礎力を身につけたことで成し得たものだと思っています。
先程紹介した「詩経」の言葉のように、ベストな結果を導くことは簡単ではありませんが、少しでも可能性を高めるためには、確実に備えておかなければならないことを、どこまで追求できるかだと思います。
「物に本末あり、事に終始あり。先後するところを知れば、則ち道に近し」。この言葉は、五経の一つ「大学」の中にでてくる言葉ですが、成果を上げるには、闇雲な努力ではなく、まず何から取りかかるべきかを必ず心得ていることが重要だという意味です。この言葉のように、目的への熱意と強い信念の上に優先すべきことを知って行動することが極めて大切です。「物に本末あり」の本とは優先すべきことであり、それを樹木に例えるなら、枝葉ではなく、大地に広く、深く張ることのできる「根」に相当するものであり、あらゆるものに存在する基礎・基本のことであると教えられます。
今日から再開される学校生活に新たな気持ちで臨んでいくためにも、「物に本末あり、事に終始あり」。この言葉を、ぜひ皆さんの胸に刻んでもらいたいと願い、私からの話を終わります。

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