【講話】冬休み明けの全校集会 校長講話
2025-01-17校長先生から
皆さんおはようございます。今日から授業再開となりますが、まずは皆さん、今年もよろしくお願いいたします。
年末の集会で、警報が出されるほど、インフルエンザが流行していることをお話しましたが、年が明けてからも過去最高の感染状況であることが報じられています。皆さんには、改めて、学校、家庭においても、うがい、手洗い、マスクの着用など基本的な感染予防の徹底に努めてもらえるようお願いいたします。
また明日から「大学入学共通テスト」が始まります。一般受験に臨む3年生は、志望校合格に向けて、最初のハードルを乗り越えることになりますが、まずはベストを尽くしてください。全校生徒、教職員一同、皆さんの努力が実を結ぶことを心から祈っています。
そして1、2年生の皆さん、ぜひ今後の過ごし方を大事にしてください。将来の自分の在り方、生き方について考え、少しでも早く覚悟を決め行動する人こそが、努力の質と量が伴い、希望する進路の実現につながります。春休みまでを見通した中期的な計画を立てて、今から粘り強く取り組んでいってください。
さて、今日は皆さんに「袖すり合うも他生の縁」という言葉を紹介します。「たしょう」とは、読み方から、多い、少ないと間違う人がいますが、正しくは、他に生まれると書いたりします。この意味は「見知らぬ人との偶然の出会いも、実は深い縁によるものだ」ということです。この言葉は、戦国時代の剣の達人、柳生宗矩に由来しています。柳生家は収入のない武士の家系にありましたが、徳川家の兵法指南役となり、宗矩自身も初代大目付に抜擢されました。
その背景には、剣の達人ということだけではなく、「人との縁」の重要性を理解し、それを活かす力があったからだと考えられています。
柳生家の家訓に、このような一節があります。「小才は、縁に出合って縁に気づかず」。この小才とは、学ぶことに消極的で成長できない人のことを指しています。「中才は、縁に気づいて縁を生かさず」。中才とは、学ぶ意欲はあるけど、思ったほどの成果が出せていない人。もしかすると私たちの多くが、この中才なのかもしれません。続いて、「大才は、袖すり合った縁をも生かす」。この大才とは、どのようなものからでも積極的に学ぼうとする人のことを指しています。「小才は、縁に出合って縁に気づかず(まったく気づきのない人)、中才は、縁に気づいて縁を生かさず(わかっていても、すぐにやれない人)、大才は、袖すり合った縁をも生かす(観察力や探究心を持っている人ともいえます)」。この言葉は、「人との縁」を大切にし、それを活かす姿勢の重要性を説いています。
私たちも、実は深い縁があって、この北海高校で出会っていることを、今一度しっかりと受け止めておきたいと私は思います。その上で、この縁をどのように活かすか、そして少しでも大才に当てはまるような意識を持つことが、私たちの成長や成功に、必ずつながるものであると思います。
また、縁を大切にすることは、謙虚さや感謝の気持ちも自然に沸いてくるものになるのでないでしょうか。長い人生においても「人との関係性を掘り下げる」ことは大きなテーマです。
新たな年を迎え、私たちが目指すべきことは、生徒も先生方も、共に学びあい、高め合う関係を築いていくことです。2025年も飛躍できる年になるよう、励まし合い、支え合い、そして積極的に行動する努力をしていきましょう。