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【講話】始業式 校長講話

2023-04-09校長先生から

 いよいよ新年度のはじまりです。心機一転、自分をより良くできるチャンスであると考えて下さい。今の皆さんは、これまでの全て、その結果に他なりませんが、これからの努力で、必ずそれに見合うものにすることができます。皆さんが比較するのは、過去の自分であり他者ではありません。自分の良い点を伸ばし、その実感を積み上げていくことを大切にして下さい。目標の実現には、一人ひとりかかる時間も違いますが、何よりも重要なのは、諦めない気持ち。北海スピリッツです。
 一方、他者との関係性については、たとえ相手が誰であっても、そこから自分にはない良さを発見したり、何か心が動く時は、その相手をリスペクトする気持ちを持って学び、積極的に吸収していって下さい。相手とは、人だけではありません。目に見えるもの全てからです。その考えと行動は、必ず皆さんの人間力を鍛えていくことになると思います。
 さて、3年生の皆さんは、いよいよ大学入試の年を迎えました。日々の重みが、これまでとは違った感覚になってくると思います。学業ともう一つ、達成感を得るためには、よりメリハリのある生活が必要です。皆さんの目の前にある壁を、それぞれが乗り越えられるよう、皆さん自身が主体となって学年を盛り上げ一致団結させて下さい。それぞれの目標が達成されることを心から祈り、私たちも支援していきます。
 そして、2年生の皆さんは、勉強の他、学校行事、クラブ活動など全てにおいて中心的役割を担う学年です。また、北海生としての自覚をもっとも膨らませる時期でもあります。今一度、自分を律することを大きなテーマとして、日々の学校生活、家庭における自学自習の習慣など、適切な時間の使い方を早期に定着させて下さい。その基本が、あらゆるものの可能性を高めます。文武両道は簡単なものではありませんが、であるからこそ「百折不撓」であることを、しっかり意識して下さい。
 今日の話に関連する言葉を紹介したいと思います。「明珠在掌」(みょうじゅ・たなごころにあり)
 これは、大乗仏教の金剛経というものの中に記されている言葉です。「明珠とは本当に大切なもの、その大切なものは自分の手のひらの中にある」という意味です。「人は理想とか成功を求めて、色々なものに頼ったり、求めたりすることが多いけれど、探している本当に大切なものは、実は自分の中に持っているものだ」という教えです。言い換えるなら、「私たち人間は、もともと価値のあるもの、例えば個性や才能など本当はたくさん持っているのに、そのことに気づかずに人の能力をうらやましく思ったり、自分の良さを見失って嘆いてはならない」ということなのだと思います。
 つまり、外見ばかりを気にするのではなく、自分の内側にある貴重なものに気づいて、やるべきことに丁寧に取り組む。これは、北海高校の建学の精神である「質実剛健」の意味にも共通するものではないでしょうか。
 また、個性や才能も磨かれなければ、自分の手の中に溢れるものにはならないと思います。しかし、実際に磨くのは個性や才能でしょうか。私は、個性や才能を伸ばすのには、「感性」や「知性」「品性」といった要素に対して磨きをかけるべきではないかと思っています。「感性」とは、人の優しさ、ものの美しさを感じる心です。「知性」とは、大きく捉えると、宇宙の構造というか、自然・生命・倫理観や社会の構造などを網羅する、いわば教養です。そして「品性」とは、自己中心的ではなく、周りへの感謝と謙虚さを持つことだと思います。「感性」「知性」「品性」これらの要素を磨き高めていくことこそが、結果として皆さんの個性や長所、人間性を伸ばしていくことに繋がるのだろう思います。
 明珠は、私たちの誰もが持っている宝石のようなものであり、日々の生活の中で、その存在を意識して努力していきたいものです。自分が伸ばしたいものを明確にして、新年度のスタートをきりましょう。

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