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【講話】夏休み前の全校集会 校長講話

2024-07-23校長先生から

 インターハイ及び選手権に全力で取り組んだ全ての運動部諸君、特に高校3年間の集大成として臨んだ3年生には、結果に関係なく、よくぞ北海生としてのプライドを持って最後まで戦ってくれました。心から賛辞を送ります。
 この夏に向けて、運動部が頑張る姿、その活躍は、北海生としての誇りです。全校生徒の皆さんには、今後の学校生活でも互いを励まし合い支え合いながら、それぞれが各分野で成長されることを心から願っています。
 さて、明日から夏休みに入りますが、時間の管理や生活のリズムを一定に保つことはとても重要です。その意味もあって、今日は「心を整える」ということについて話をしたいと思います。
 最も古い時代の成立と言われているお経に「ダンマパダ」というものがあります。「ダンマ」は「真理」、「パダ」は「言葉」という意味で、「真理のことば」という訳で広く知られています。
 この経典の書き出しに、「物事は心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される」とあります。しかし、その後には「心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英知ある人はこれを直(なお)くする。」と記されています。
 実際、私達はとかく自分の感情をコントロールできなかったり、強いプレッシャーを感じて物事をうまく進めることができなかったりすることがあります。人生を生きていく上でも、常に大きな壁に感じるものといっていいでしょう。
 実は、今年度、北海高校は昨年度に続き、高体連の弓道の当番校を引き受けたのですが、弓道の教えに「正射必中」という言葉があります。
 これは「正しい姿勢で射られた矢は、必ず的に当たる」という意味です。この「正しい姿勢」には、少なくとも二つの要素が含まれていると私は思っています。一つは「型」、フォームです。それともう一つは、その「型」を、周りからの心が動いてしまうような声や状況の変化などがあったとしても、決して動じず崩すことのない「集中力」です。  
 では、どうしたら、ざわめく心、制し難い心を整え、集中力を維持できるでしょう。
 正直、的確な答えがあるわけではないのですが、私は当番校を引き受けて、弓道部員から学んだことを、ここで紹介したいと思います。
 会場である「北海きたえーる」では、弓道場に入る際に靴を脱ぎます。大半の生徒は、そのまま脱いで玄関前は沢山の靴で一杯です。しかし、中には自分が脱いだ靴をきちっと揃えてから入る生徒も見られました。その中には北海生の姿もありました。そして、北海生は定期的に乱れている何百足という靴を、出てくる人が履きやすいように向きを変えて並べ直しておりました。私は、こういうことを実践できる人こそが、「正射必中」の精神を極めていくのだろうと思いました。そして、北海高校弓道部員の人間力の高さに感銘し、当番校としても誇りを感じました。
 また、私は、その姿を見て「はきものをそろえる」という詩を思い出しました。
 この詩には、「はきものをそろえると 心もそろう」「ぬぐときにそろえておくと はくときに心がみだれない」というフレーズが出てきます。この詩は、長野県にある円福寺というお寺の住職、藤本さんという方の詩なのですが、私は、この詩を通じて、日々の何げない生活がいかに大切かを感じ、これまでにも何度か生徒に紹介したことがありました。
 仮に「はきものをそろえる」という行為であっても、意識してそれを続けることは、心を落ち着かせ、何があっても動じない強い心を鍛えることができるんじゃないかと思っておりました。
 心を制するには、何か大きな努力をしなければならないと思いがちですが、本当は当たり前のことを当たり前にすることが、何より大切なのだと思います。
 「はきものをそろえる」は、「自己を省みる」ということでもあります。勉強であっても部活動であっても、皆さんが掲げている目標に近づくために必要なことではないでしょうか。
 皆さんには、改めて自分にしっかりとした型、フォームが存在するか、また、それは継続できるものになっているか、今一度確認して欲しいと思います。
 納得のいく、よい夏休みになることを祈念して私の話を終わります。

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