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札幌市にある北海高等学校から
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【講話】前期末全校集会 校長講話

2024-9-27校長先生から

 今日はまず、新しい生徒会執行部の認証を行いましたが、私は普段から北海高校の生徒会、つまり会員である生徒の皆さんが、執行部のリーダーシップのもと大変レベルの高い自治活動をしてくれていることに、心から感謝し誇りに思っています。新体制になっても現状に満足せず、より主体的で活発な自治活動が実践できるよう努めて下さい。皆さんが持っている力は想像以上です。まだまだいろいろなことに挑戦していって下さい。期待をしています。
 さて、今日で前期終了です。ここまでを振り返ると、私は5年ぶりに制限なく行われた北海祭が印象に残っています。全校生徒が結束して新たな北海祭を作り上げてくれました。改めて北海高校のスケールの大きさを感じることができ、先生方も大変嬉しく思っています。 
 後期には体育祭、そして2年生は修学旅行も控えています。学びはもちろん、クラスの団結力を更に高めて、お互いが成長できる環境を創造していって下さい。また、進路の実現にも、北海生全員が同じ気持ちを持って臨み、目標は高く、支え合い励ましあって、後期も弛まず努力を続けていきましょう。
 ここで話を変えますが、皆さんは、現在、秋の交通安全運動が行われていることは知っているでしょうか。季節毎に行われているこの運動で、現在、喫緊の課題とされているのが自転車の乗車に関わることです。
 今月10日留萌市で、自転車に乗る男子高校生が女子高校生をはね、共に重体・重傷を負ったという報道がありました。このような事故は、私たちの日常にあって、命にも係わる大きな問題だと思います。今年度、自転車を利用している北海生は全校で559名、48.6%という割合です。自転車を利用する年齢層は非常に幅広いですが、特に利用率が高いのが高校生です。現在、北海道では自転車利用者にヘルメットの着用を努力義務としていますが、その高校生の着用率が最も低いそうです。
 皆さんは、道内高校生のヘルメット着用率は何%くらいだと思いますか。その答えは、全国を大きく下回る5.6%だそうです。では、北海生は何%といえるのでしょう。
 先日、高校生を対象に「交通安全タウンミーティング」が企画されました。自転車用ヘルメットの着用率を上げるために高校生の意見を聞くというもので、本校からは生徒会執行部4名が参加し、積極的にアイデアを出してくれたそうです。道警の担当者の方から、学校にお礼の電話をいただきました。
 ヘルメットの着用率を上げるためのアイデアも大切だと思いますが、そもそも何が問題でしょう。このことは、他人事とはせず、私たちを取り巻く社会の課題の一つとして関心を持つべきだと思います。
 私自身は、「命の大切さへの意識」「社会のルールに対する意識」の低さが、大きく影響しているのでないかと思っていますが、正直、私もこれらの意識が決して高いといえません。とはいえ、今はこの意識を少しでも変えなければならないと思っています。 「命の大切さや社会のルールに対する意識を向上させるため」にはどうすればよいでしょう。
 私は、まずは身勝手な行動を抑えるべきだと考えます。普段から自分に奢ることなく、素直な態度を心掛け、諺にある「人の振り見て我が振り直せ」を実践していくことが大切ではないかと思います。
 これは、一言でいうなら「謙虚さを持つ」ということです。
 中国唐の時代の史書に、「終身路を譲るも百歩を枉げず」という言葉があります。生涯に渡り、人に道を譲り続けたとしても、たいした苦労や損をしたという気持ちになることはないという意味ですが、その意図するところは、「謙虚な心掛けでいることは、自分にとってはもちろん社会にとっても大きな徳を生むものである」と捉えられます。つまり譲り合いの精神を持てば、交通事故も減らせることになるでしょう。
 現在、努力義務とされているヘルメット着用が、仮に強制されたとしても、社会のルール、交通ルールへの意識が低いままだと、信号無視をしたり、スピードを出しすぎたり、雨の日に傘をさしたり、スマホを見ながら運転したりと、そういった事故の原因を減らすものにはなりません。
 今日、皆さんに伝えたいのは、自転車事故を減らすということだけではなく、日頃から「謙虚さを持つ」ことは、自分を客観的に省みれるようになること。人の良い行いに気づきを持つこと。更には、自分がわからないことをそのままにせずに自分から「教えてください」と素直に言えるようになるなど、全てが学びに繋がるものです。今日の話が後期の生活に少しでも役立つものになることを願い、話を終わります。

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