【入学式】校長式辞
2026-04-09校長先生から
柔らかな陽射しに春を感じ、待ちに待った喜びの季節となりました。本日、学校法人 北海学園理事長 山崎省一先生をはじめ、学園関係者の皆様、さらには校友会・PTAなど、本校の教育を支えてくださっている皆様のご臨席のもと、令和8年度北海高等学校入学式を挙行できますことを、教職員一同、大きな喜びと感じております。
369名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、ここまで新入生の皆さんを温かく見守り支えてこられました保護者の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。
新入生の皆さんは、新しい制服に身を包み、これから始まる高校生活への期待と緊張を胸にこの場にいることでしょう。高校三年間という時間は、決して長いものではありません。しかし、この三年間は「人を大きく成長させ、その後の人生の方向を形づくる」とても大切な時間です。この北海高校での時間が、皆さんにとって自分自身を大きく成長させる三年間になることを心から願っています。
そのために、今日は「学ぶとは何か」ということについて、ヒントになる言葉を二つ紹介します。
一つは、ジャーナリストの池上彰さんの言葉です。「知っているつもりになることが、一番危ない」
もう一つは、中国の思想家、孔子の言葉です。「知っていることは知っている、知らないことは知らないと言う。それが本当に知るということである」
今日、私たちはスマートフォン一つで、簡単に多くの情報に触れることができます。調べればすぐに答えが見つかり、実際、分かったような気持ちになることもあります。しかし、それだけで本当に「分かっている」と言えるでしょうか。表面的に知っているだけで終わらず、「本当にそうだろうか」と考え続けること。そして、分からないことをそのままにせず、「分からない」と認めること。この二つが揃って、初めて学びは深まっていきます。
これからの社会で求められるのは、知識の量そのものではありません。溢れる情報の中から、何が正しいのか、何が大切なのかを自分で考え、判断する力です。高校は、その力をしっかりと育む場所です。授業で学ぶ知識はもちろん大切です。しかし、それだけではありません。学校行事や部活動への参加、仲間との出会い、新しいことへの挑戦、そして、思うようにいかなかった苦い経験。そのすべてが、皆さんを成長させる大切な学びとなります。本校の環境を最大限生かして、一つ一つの経験を、どうか大切にしてください。
さて、北海高校には、長い歴史の中で受け継がれてきた言葉があります。皆さんから見てステージ左上に掲げられている書に注目してください。「質実剛健」「百折不撓」と読みます。「質実剛健」とは、見た目にとらわれず、中身の充実を大切にし、誠実に努力を重ねることです。「百折不撓」とは、何度失敗してもくじけず、立ち上がり、挑戦し続ける強さを意味します。
これからの高校生活では、思うようにいかないことや、迷うこともあると思います。しかし、そういう時こそ、この言葉を思い出してください。目の前のことに誠実に向き合い挑戦を続ける。その積み重ねが、人間力を高め、皆さんを確実に成長させていきます。
そこで皆さんに、一つお願いがあります。
この北海高校で、「流行」をつくってください。ここでいう流行とは、「生き方としての意識の変化」です。
勉強に本気で取り組むことが当たり前になる流行。仲間と励まし合うことが自然にできる流行。失敗を恐れず挑戦することが、かっこいいと思える流行。そして、何度転んでも、もう一度立ち上がる姿が称えられる流行です。
誰か一人が本気で勉強に取り組めば、それを見た周りの人の意識が変わる。誰か一人が仲間を励ませば、その輪が少しずつ広がっていく。これらが、やがて学校全体の雰囲気をつくり、個性と多様性を重んじながらも強い結束力が生まれます。こういった現れが「質実剛健」であり、「百折不撓」の一つの姿です。
本校は昨年、創立140周年を迎え、新たな一歩を踏み出しました。その歩みをさらに前へ進めていくのは、これからここで学ぶ皆さんです。
新入生の皆さん。どうかこの三年間、仲間とともに成長し、自分自身の可能性を大きく広げてください。皆さんが、なりたい自分になるために勇気をもって挑戦し、未来を切り拓いていくことを心から願い、式辞といたします。
令和8年4月9日
北海高等学校 校長 秋山秀司












