【講話】夏休み明け全校集会 校長講話
2024-08-19校長先生から
今日から学校再開ですが、皆さんにとってこの夏休みはいかがでしたでしょうか。基本的には学びの多い有意義な時間を過ごしてくれたと思っています。まずは、前期末までの約1ヶ月、計画的に、そして丁寧に生活にしていきましょう。
さて、今年はオリンピックイヤーでした。皆さんも注目していたと思います。私もアスリートの活躍、喜びや悔しさからくる涙と言葉にたくさんの感動を得ました。試合直後の選手からは、プレッシャーから解放された安堵感も感じました。私はオリンピックが開催されるたびに、選手のこれまでの努力やプロセスを想像すると、本当に彼らはすごい人たちだなと思っています。オリンピアンである彼らの志向性を考えると、自分に限界を作るという考えなどは、もはや切り捨てられているのだろうと感じます。なぜかというと、彼らは自分が目標とするレベルに到達すれば、次々に目標を引き上げて、それを成し遂げているからです。つまり、オリンピアンは、人間が潜在的に持つ無限の可能性を自らの努力と周りから応援される人間性を持って、「自己開発できる人たち」であるといってよいと思います。
では、オリンピアンになるような人たちが、普段から心がけているものは何でしょうか。
心理学者でペンシルバニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授は、社会的に成功を収める人が共通に持っている要素は4つあり、そこには、才能や学歴、IQなどは関係ないと説明されています。
この4つを表す英語の頭文字、「G・R・I・T」は、現在、「GRIT理論」として、それを「やり抜く力」と訳されて世界で注目されるようになりました。
最初のGは「Guts」です。「Guts」は「闘志を燃やすこと」。どんな困難に遭ってもくじけない「気骨の精神」です。2つ目のRは、「Resilience」です。「粘り強さ」「適応力」「回復力」を意味します。3つ目のIは、「Initiative」。「自発的」を意味し、自ら目標を立てて取り組むことです。そして、この目標を達成するためには強い意志を持った「持続力」、つまり「執念」が必要です。それが「Tenacity」。これがグリットの最後のTを表します。
どんな困難や逆境にあっても、「強い執念で目標を達成する」この「GRIT理論」は、北海高校の「百折不撓」の精神に正に通じるものといってよいでしょう。
オリンピアンのような成功者は、普段から、どんなに小さいことであっても意欲を持ち、自ら目標を立てて、粘り強く取り組むもうと常に意識していることが想像できます。
その姿勢は、周囲から高い人間力として評価され、尊敬され応援されるようになる。そればかりか、自分自身が新たな可能性に気付いて「もっと成長したい」という気持ちが育ち、段階的に成長し続けることが可能になるのだと思います。
「百折不撓」の精神を備えようとしている私たちも、これを手本とすることは、とても大切なことではないでしょうか。皆さんには、今一度、自分の興味・関心と真剣に向き合って、決して「無理」という先入観を持たずに、物事を前向きに捉えてもらいたいと願います。それが「百折不撓」の精神を、行いとして高めていくことです。皆さんの努力が後期につなげていけるように、今日の話も参考にして頑張っていきましょう。