校長講話
2020-10-09校長先生から
今日は前期終業式ということですので、まずは、ここまでの生活を振り返ってみようと思います。いま各部の大会報告がありました。既に多くの部で代替わりをし、この時期には主に新人戦、更には文化部の活動実績も見られるようになっています。部活動の特性もあって全てが同じ動きをしている訳ではありませんが、北海生は、共通して精一杯ものごとに取り組むことができた。私はそう思っています。結果はさておき、多くの課題に向き合ったというそのことに賛辞を送ります。
今年度、ここまで実施できた学校行事は、新入生だけで実施した入学式と先日行われた体育祭だけでした。臨時休校中の授業の遅れについては、既に取り戻すことができましたが、全てにおいて、生徒の皆さん、保護者や教職員の理解と協力があってのことと感謝しています。
コロナ禍にあって、今後も制約が続くと思いますが、私たちの工夫と強い結束力で、この先起こり得ることも、必ず乗り越えていけると感じています。
後期になると、2年生は修学旅行があり、3年生は、いよいよ受験本番を迎えます。いずれも個々の生徒がバラバラの気持ちで臨むのではなく、互いを励ましあいながら、切磋琢磨する気持ちを大切にしてもらいたいと願っています。
秋を迎え、最近は随分と寒暖差も激しくなってきました。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、これからの時期は、今まで以上に自分の健康管理に注意を払ってください。現状において、感染リスクがゼロになるということはありませんが、安定した生活習慣を保ち免疫力を落とさないこと、そして感染予防の基本となっている換気と手洗い・うがいを引き続き徹底していきましょう。感染しない、させない意識を保つようお願いします。
次に、2か月程前に実施された「学校生活アンケート」に関わる話をしたいと思います。このアンケートは、生徒と教職員が、各授業への取り組み方を互いに確認しあい、今後の改善に役立てること、そして教育環境をより良くしていくための大切な情報を得ることを目的に実施しています。皆さんから出された要望や意見については、真摯に受け止め、特に学校内の環境整備については、できるところから改善に努力していきます。
今年のアンケートには、例年と違い、コロナ禍における学習や進路に対する不安、学校行事がなくなったことに心が満たされていない様子が反映されていました。
(中略)
北海高校に学ぶ皆さんには、「一人ひとりが希望する進路をしっかりと実現させられる学校でありたい」と常に思っていますが、これを実現するには、皆さんの主体的な取り組みがないとはじまりません。皆さんが進もうとする道を切り拓くためには、毎日の授業と予習、復習の地道な積み重ねと人間力を磨く努力が大前提となります。先生方は、あくまでも皆さんのサポート役にしかなれません。ですから、皆さん自身の時間の使い方が一番の課題になります。
皆さんは、ベンジャミン・フランクリンという人物を知っているでしょうか。アメリカ合衆国建国の父と讃えられ、100ドル紙幣の肖像画になっている人です。
フランクリンは、政治家以外に、学者としても活躍した人物です。彼は高い生産性を発揮するために、自らの生活に規範を設けていました。それは、日常生活全てにおいて、計13項目のキーワードを挙げて、毎日点検をしていました。今日は、その中の3つを紹介したいと思います。
1つ目は「規律」です。フランクリンは、物の置き場所、仕事に関しては、始める時間、終わる時間をすべて決め、その通りに行動しました。2つ目は「決断」。やると決めたことは、必ず実行するということです。3つ目は「勤勉」。とにかく徹底して時間を無駄にしないということです。私は、規律・決断・勤勉、この3つは、13項目ある中でも、フランクリンが最も基礎的なものにしていたのではないかと思っています。
フランクリンは、毎日この13項目を意識するよう、スケジュール帳のようなものを使って確認していたといいます。また、1年を4回に分け、その節目を大切にして改善も図りました。皆さんも今の話から、身に覚えのあるものを想像できるのではないでしょうか?
それは、スチューデントプランナーのことですが、ここで、改めて皆さんのアンケートの回答から推測すると、まずプランナーの必要性に対する意識から見直しをしなければならない人も一定数いるのだろうと考えています。
(中略)
フランクリンがやっていたことは、実は単純で、毎日同じ時間に同じことを淡々と繰り返していたのだと思います。朝は「今日、どんな模範的な行いをしようか」、そして寝る前には「今日はどの項目で実践できたか」を自問自答する毎日だったのではなかったのかと想像します。
私たちが充実した生活を送るには、規則正しいリズムが必要なのは間違いのないことです。
明日から後期になる訳ですが、皆さんには、自分の進路目標、学習目標を今一度明確にして、時間の使い方を意識したメリハリのある生活を送ってもらいたいと思います。
最後に、改めて私たち教職員は、保護者とも力を合わせて、皆さんを全力で応援しつづけます。自分のため、そして周囲から支援してくれる人に応えるためにも、ぜひ「規律」と「決意」、「勤勉」この3つを生活の中に取り込み、今よりも自分自身に厳しい立場となって、学びに対する質の向上をめざしてください。